お堅い話かと思ったら男の子が好きなヤツてんこ盛りだった本
先月、書店で良さげな本を物色していたら帯に目を引かれて買った本が、一冊。
福田和代さんが書かれた「バベル」。
端的に言うと新型ウイルスが蔓延した日本が取った行動とは!?といったバイオクライシス系の本なのだが実は、先々月に「首都感染」(高島哲夫(著))を読み終わったばかりで(読み終わってから間にスクープシリーズ既刊四冊挟んだけど)似たような題材はもたれるかなと思ったけど結局購入。
そして読んでみるとまぁ面白いんですよね。
ある日突然、主人公の如月悠希の彼氏である倉知渉が鼻や耳から血を流し高熱を発する。
病院に運び込まれ一命を取り留め回復し一安心する悠希、これからまた日常が戻ってくる、といった場面で一度切り替わる。
そしてこの切り替わりがこの本の面白い部分で、別人物ではなく現代へ切り替わる。
そう、過去と現代を交互に描写して辻褄を丁寧につなぎ合わせていく、気持ちの良い読み応えを味わえる一冊なのだ!
しかもこの本、過去と現代を表現するのに過去は【BEFORE】、現代は【AFTER】って表現するんですよ、プロローグなら【BEFORE:0】って、こんなん男の子は絶対好きな表現じゃん......
現代では封鎖と隔離が行われた日本にもう一人の主人公、ウィリアム・ロマリーが足を踏み入れる。
何故日本はこんなに大掛かりな隔離と封鎖を行ったのか、感染病《バベル》の真実とは?
様々な人の思いや国家の思惑が交差し《バベル》へ立ち向かったその先にどんな未来があるのだろうか、ハラハラとワクワクがこみ上げるとても面白い一冊でした。
個人的には中盤から出てくる根津刑事がとても印象的でした、少年漫画でも昨今中々見れない熱い事をやってのけるのでこのシーンは是非読んでもらいたいところです。
後、エピローグが色んな意味で完璧すぎてマジでこれは皆さんの目で見てほしい。
電車の中じゃなければ「あ゛ーーーーーーー!!!!!やってくれたな!!!!!!」って叫んでました、マジで、この部分だけでウイスキーロック呑める。
読み終わった感想としては、題目からは想像できない位に燃える展開が多くて、ちょっと異世界転生物のラノベ飽きてきたなって学生の方にも結構オススメできる一冊でした。